- ブロックチェーンゲームってよく聞くけど、日本のゲーム会社は参入しないのカナ?
- 日本の大手ゲーム会社のNFTゲームの動きを知りたい!
という素朴な疑問に回答していきます。
当記事を読むメリットとは
- 日本のゲーム各社のブロックチェーンやNFTへの姿勢が把握できます。
- 投資の判断材料として優位性が生まれます。
- 既存ゲームユーザーのブロックチェーンやNFTゲームへの反応がわかります。
となりますので、ぜひご覧ください。
日本のゲーム各社の動向【NFT・ブロックチェーンゲーム】
結論からいうと、それほど活発ではありません。
「みんな騒いでるから周りを様子見しながら、そろそろ始めようカナ」という状態です。
ブロックチェーンゲームでは2社が先行
まずは2022年1月現在までのゲーム各社の動きをまとめてみました。
日本では〈double jump.tokyo〉〈CryptoGames〉の2社が大きく先行しています。
この2社の成功をみて、出資や業務提携が活発に動きました。
特に〈double jump.tokyo〉をめぐる動きは激しかったですね。
double jump.tokyo
- 2021年3月:スクウェア・エニックスと業務提携
- 2021年4月:セガと業務提携
- 2021年9月:バンダイナムコに対して第三者割当増資を実施
大手ゲーム会社がこぞって提携や出資にうごき、NFT事業やブロックチェーンゲームのノウハウを吸収しようとしています。
世界を代表するようなゲーム会社が、2018年にできた新参者の非上場会社に教えを請うてるように見えますからね。ブロックチェーンの台頭により、いかにゲームチェンジが起きているかがわかります。
2021年11月の【AMDシンポジウム2021】というイベントで、〈double jump.tokyo〉の上野CEOがブロックチェーンゲームについて「ハードルが高い」「一般層にアプローチできていない」と述べていたようです。
また、なぜ各社がやらないのかについてもコメントしていました。
「まだやりかたがわからず、時期を見計らっているタイミングだと思う」と持論を展開した。そのため、double jump tokyoはNFT技術を使ってサービスを行いたい企業のサポートも力を入れてゆくとのことだ。
ファミ通.com『AMDシンポジウム2021リポート』
大手が参入して裾野が広がらない限り、一般層に普及しないと思われてるみたいですね。
ゲーム会社でブロックチェーンゲーム参入に積極的な3社
そんな各社が様子見ムードの中、積極的に展開しようとしている3社を紹介します。
スクウェア・エニックスのブロックチェーンゲームへの決意表明
2022年の年頭所感で松田社長から、かなり踏み込んだ発言がありました。
今までのゲームの在り方は、シングルプレイゲームであろうとオンラインゲームであろうと、ゲームを提供する側、すなわち我々クリエーターが一つの完成品としてゲームを提供し、それをユーザーがプレイするという一方通行の流れでした。他方、黎明期を脱し、今まさに成長期に突入しつつあるブロックチェーンゲームは、トークンエコノミーを前提とすることで、自律的なゲームの成長を可能とするポテンシャルを秘めています。
スクウェア・エニックス『年頭所感』
「業界の雄」的存在がブロックチェーンゲームの可能性を大きく認めています。
さらに今年以降の戦略テーマとして
- ブロックチェーンゲームをポートフォリオに加えたい
- 将来的には自社トークンの発行も見据える
だとしています、
これらは日本のブロックチェーンゲーム普及の針をかなり進めた所感だと思います。
スクエニからブロックチェーンゲームがローンチされたら話題とプレイヤーを多く集めますし、ライバル各社も黙ってはいないでしょう。
先見性のgumi
日本の会社のなかで、かなり早い段階でブロックチェーンに注目し動いてきたのがgumiです。
〈double jump.tokyo〉にも2018年12月に資本業務提携をし、gumi現社長の川本寛之氏は〈double jump.tokyo〉の社外取締役にも就任しています。他社よりかなり深いところまで入り込んでいるのがgumiです。
またブロックチェーンのプロジェクトにも多数投資しています。
2019年の段階でNFTマーケットの絶対王者〈OpenSea〉に投資しているなんて凄いですよね。
そんな先見の明があるgumi ですが、本業のスマホゲームでは苦戦しています。
売上が伸び悩み、減益が続いており、ココ最近はマイナスばかりです。
テコ入れの1つとして、まだ検討段階ですが〈Play-to-Earn〉を取り入れたブロックチェーンゲームの開発を視野にいれているみたいですね。
単独でやるというよりも、〈double jump.tokyo〉と協力しながらなイメージ。
今後の展開が楽しみです。
パブリックチェーンと提携したミクシィ
最後に個人的に一番注目しているのはミクシィです。
最初の図を思い出してもらいたいのですが、既存のゲーム会社のうちパブリックチェーンと提携しているのはミクシィだけなんです。
gumiはAstar Networkに出資していますが、どちらいうと投資の面が強そうです。そもそもAstar Networkは2022年1月17日にメインネットがローンチしたばかり。これからのプロジェクトです。
ただFlow(Dapper Labs社)は違います。NFTやブロックチェーンゲームで実績十分のトップランナーの1つです。
ブロックチェーンゲームを開発するとは決算資料には書かれていません。「NFTビジネスに向けた提携」とだけあり、具体的な内容はありませんでしたが、間違いなくブロックチェーンゲームを開発してくると予測しています。
なぜならミクシィの強みや保有しているコンテンツ(スポーツやゲーム)がNFTと相性抜群だからです。
Dapper Labs | ミクシィ | |
スポーツ | NBA TOP SHOT〈NFTで大ヒット〉 UFC(総合格闘技)〈提携〉 LaLiga(サッカーリーグ)〈提携〉 |
Jリーグ・FC東京を小会社化 |
ゲーム | CryptoKitties〈大ヒット〉 Ubisoft(ゲーム会社)〈提携〉 |
モンスターストライク |
比較してわかるとおりDapper Labs社と似たようなポートフォリオを形成しており、ここからノウハウを学びつつ近い将来にFlowチェーンで展開するつもりだと予想。
なぜこんなことが断言できるというと、ミクシィも売上が伸び悩んでいるからです。
2022年3月期の予測を大幅に下方修正し、前期と比較すると今期は〈営業益:−84.7%減〉〈最終益:−79.3%減〉です。ヒットタイトルにも恵まれず、このまま行けば厳しいことは明白。
新たな収益源としてブロックチェーンゲームに活路を見出すことは容易に想像できます。
今後のミクシィの動向はかなり注目です。。
【悲報】ゲーム会社がブロックチェーンやNFTへ参入すると歓迎されない
- なんでゲーム会社はもっと本格的に参入しないの?
- 「任天堂」や「ソニー」とかがNFTゲーム作ったらいいのに
とお思いかも知れません。
Cryptoに詳しい方なら、ブロックチェーンゲームが増えることは大歓迎だと思うんですが、非Crypto民からすると「歓迎ムード」にはならないみたいです。
NFTを販売する宣言したセガはどうなったか
当社は、double jump .tokyo株式会社との協業による、ブロックチェーンの技術を活用したNFTデジタルコンテンツについて、2021年夏頃を目途に販売を開始します。https://t.co/b8pMW6dg9G pic.twitter.com/3idW6RI71z
— セガ公式アカウント🦔 (@SEGA_OFFICIAL) April 27, 2021
と発表したら、リプ欄が批判で埋め尽くされました。
しかも海外からのコメント多数です。
- やめてください。お願い
- 20年以上セガを愛してきた中で、本当に残念だと思った
- クリーンエネルギーがこんなことに使われるなんて
などなど「環境破壊」「地球温暖化につながる」の観点から猛批判。
結局「2021年夏頃にNFT販売」とありましたが、販売されなかったみたいですね。
その後、2021年12月におこなわれたセガサミーマネジメントミーティング において、こんな記載がありました。
〈回答者:セガサミーホールディングスの里見CEO、深澤CFO、株式会社セガの杉野COO〉
NFT については、いろいろと実験していきたいと考えており、既に様々なスタディや検討を開始している。
Play-to-Earnに関しては、現時点で決定していることはない。現時点ではネガティブな反応を示すユーザーもいる。ネガティブな要素をいかに軽減していけるか、日本のレギュレーションの中でどこまで導入できるのか、また何がユーザーに受け入れられて、何が受け入れられないのか等を慎重に見極めながら検討をして行く。
ただの金もうけと思われてしまうようなものであれば、展開を見送るといった判断軸で考えて行きたい。
セガサミーマネジメントミーティング 2021「主な質問」
かなり慎重にタイミングを見計らっているようですね。
ゲームにNFT要素の導入を発表したら猛反発された
こちらは2021年12月の話です。
「S.T.A.L.K.E.R. 2」というゲームをご存知ですか?
GSC Game World社がXBOX・PC用に開発発売している人気ゲームなんですが、新しいゲームに登場する権利をNFTで販売すると発表したら、
- 大きな電力がかかるブロックチェーンがエコじゃない。
- 環境破壊につながる
と、ファンから批判の嵐。
結果、翌日にはNFT要素を全撤回する発表をしました。
2021年12月だったら、だいぶNFTが市民権を得てきたと思ってたんですが、「Cryptoは地球環境に悪い」という視点から反対してる層がいるんですね。
なんとなく日本よりも海外の方がCryptoに対して融和的だと思ってたんですが、まったくそんなことなかったです。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』がNFT要素の導入を発表→ゲーマーコミュニティの反発を受けて1日で全撤回へ(ファミ通.com)
現状は反対意見もありますが、NFTやブロックチェーンゲームは不可逆的なテクノロジーの進化です。ですので、早いか遅いかの問題だと思ってます。
〈まとめ〉日本のゲーム各社の動向【NFT・ブロックチェーンゲーム】
本日の復習
- 大手ゲーム会社は様子見ムード。一番積極的に見えるのはスクウェア・エニックス。
- 既存コンテンツでブロックチェーンゲームやNFT参入しようとすると、猛批判を受ける可能性がある。
- 課金ビジネスで成立しているスマホゲーム会社の方が、参入へのハードルは低そう。
以上となります。
この分野は今後も活発動き、展開が早そうなので、引き続きチェックしていきます。