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仮想通貨「NEAR Protocol〈NEAR〉」を調べてみた

11月 22, 2021

※アフィリエイト広告を利用しています

仮想通貨NEARのことを知りたいけど、日本語情報を少なくてよくわからない・・。

と思う方、きっといらっしゃいますよね。

まさしく自分がそうでした。

「a16zが投資している」「イーサリアムキラー候補にもあげられている」「ランキング50位以内」なのに、日本語情報が少ない・・・。

だったら自分で調べるしかない!

ということで、NEAR Protocolについて調べてみたので、自分の勉強の意味を込めて公開していきます。

a16zが投資しているプロジェクト第2弾は「NEAR Protocol〈NEAR〉」です。

当記事を読むメリットとは

  • a16zが投資している仮想通貨プロジェクトの理解が深まります。
  • 日本語情報が少ないNEAR Protocol〈NEAR〉を知ることができます。
  • 日本ではまだそこまで注目されていないため、今後の優位性が確保できます。

メリットは上記の通りです。

あくまで自分の学習&復習のために記事にしたもので、NEARへの投資をススメているわけではありませんので、ご了承ください。

では進めていきますね。

結論からいうと、ボクが調べた限りNEAR Protocol〈NEAR〉はこんな内容でした。

調べてわかったこと

  • NEAR Protocolのスペックは素晴らしい!
  • 他のチェーンに比べ、かなり遅れをとっているのも事実。
  • 多くのVCが投資している。
  • 現状、仮想通貨NEARは買われ過ぎている状態。
  • ただCoinbase未上場なので、「Coinbase効果」を期待できるかも。
  • dAppsも発展途中。今後伸びてくる兆しも見える。

上記を深堀りしていきます。〈情報は2021年11月19日時点のモノです〉

コインチェック

NEAR Protocol〈NEAR〉とは何?

NEAR Protocol〈NEAR〉の概要

NEAR Protocol〈NEAR〉はレイヤー1のPoSの分散型ネットワークです。

シンボル(通貨名)NEAR
価格1NEAR=1,049.65円
ランキング39位
時価総額5900億円
希薄後時価総額1兆51億円
循環サプライ量5.6億NEAR
最大供給量10億NEAR
マーケットBinanceなど (Coinbaseには上場ナシ)

約5,900億の時価総額を日本企業で例えるとローソン(約5,700億)くらいの規模感です。

チャートをみると2021年春の大相場を超えて大幅に上昇!10月下旬にATHとなる1,400円にタッチしましたが、11月に入って調整しています。

NEAR Protocolのエコシステム

2020年4月にメインネットをローンチし、現在ではすべてのカテゴリーで138のプロジェクトが存在しており、19のDeFiプロジェクト、20のNFTとゲームプロジェクト、8のDAOプロジェクトなどが進行中です。

ただライバルのチェーンたちと比較すると出遅れている感は否めません。

絶対王者のEthereum(DeFiプロジェクト数220)は別格として、2020年3月ローンチのSolana(全カテゴリのプロジェクト数423)、2020年9月ローンチのBSC(DeFiプロジェクト数241)など、数も有益性もまだまだ発展途中という段階です。

NEAR Protocolのトークン供給量

2021年11月現在の供給量は約5.6億。2020年4月のGenesisで10億のトークンが発行されましたが、その約56%が市場に放出されてます。

ロックアップ期間は5年間で、2025年4月にはすべてが市場に供給されるとのこと。

また公式サイトにはこのように書かれています。

The chart below shows the increase in circulating supply as tokens unlock and new tokens are minted. The dotted line shows the total supply as it increases due to new issuance.
(下の図はトークンのロックが解除され、新しいトークンが鋳造されることで流通供給量が増加する様子を示しています。 点線は新規発行により増加する総供給量を示しています。)

NEAR Token Supply and Distribution

追加で新規トークンも発行されるとのこと。

10億から伸びている点線が総供給量になります。

さらにこんな表も。

循環と総供給量が書かれており、最初の10億以外にも発行されつづけ最終的な総供給量は約12.8億となります。

つまり現在は総供給に対して約43.7%くらいしか循環してないことがわかります。

CoinMarketCapやCoinGeckoをみても最大供給量は10億ってなってますが、自分の読み間違いじゃなければちょっと違うみたいです。

NEAR Protocol〈NEAR〉の強み

【NEARの強み①】早くて安い

NEARが選ばれる理由」として、こんなツイートがありました。

他のチェーンと比較して、NEAR Protocolの強みを強調しています。

  • システムが1秒間に処理できるトランザクション数〈Transactions Per Second〉がPolkadotやSolanaと同等。
  • なのに、ブロックチェーン上でトランザクションが完了するまでの時間(Transaction Finality)が他のチェーンに比べ圧倒的に速い。
  • 取引手数料〈Transactions fee〉がSolanaと同じくらい安い。

トランザクションの処理数など検証しようがないですが、スペック上は他のチェーンに比べ性能が良いようです。

【NEARの強み②】Nightshade

NEARプロジェクトは「Nightshade」と呼ばれる独自技術でコンセンサスメカニズムで構築されています。

複数のシャード化されたチェーンでトランザクションを並行して処理し、ブロックチェーン全体のトランザクション処理能力を向上させているとのこと。

「Nightshade」は、他のブロックチェーンで採用されているシャーディングシステムとはちょっと違うようで、それがNEAR Protocolの性能を維持しています。

シャーディングとは(外部リンク)

そして以下のようにロードマップを公表し、完全にシャーディングされたブロックチェーンを目指しています。

ロードマップ

  • Phase0/Simple Nightshade:ネットワークのスループットの向上〈2021年11月〉
  • Phase1/Chunk-Only Producers:ネットワークのさらなる分散化〈2022年1月〉
  • Phase2/Nightshade:バリデータへのアクセス性の向上〈2022年3Q〉
  • Phase3/Dynamic Resharding:NEARを無限のスケールで解き放つ〈2022年4Q〉

Phase0が予定通り11月15日に開始されました。

NEAR Launches Nightshade Sharding, Paving the Way for Mass Adoption

この中で以下のように述べています。

This phase, nicknamed Simple Nightshade, will kickstart a year of changes and additions to the NEAR blockchain that when complete, will make it super-fast, incredibly secure, and capable of onboarding millions of users into the world of Web3 without skipping a beat. 

(「Simple Nightshade」と名付けられたこのフェーズでは、NEARブロックチェーンに1年間にわたる変更と追加が加えられ、完成すれば、超高速で、信じられないほど安全で、何百万人ものユーザーをWeb3の世界にスムーズに送り込むことができるようになります。)

NEAR Launches Nightshade Sharding, Paving the Way for Mass Adoption

性能の良さをウリにしているNEARエコシステムは「Nightshade」という技術が裏付けになっているんですね。

【NEARの強み③】Rainbow Bridge

ブロックチェーン間のつなぐブリッジ。ユーザーの利便性のためにも必須な機能の1つ。最近はNFTブームによって、トークン(非NFT)よりもNFTを異なるチェーン間でやりとりしたいニーズが高まってるように感じます。

NEAR Protocolでも2021年4月にETH〜NEAR間がつながりました。

Users can send these ERC-20 assets directly from MetaMask or other Web3 wallets to NEAR wallets and apps, and vice versa.

The Rainbow Bridge Is Live

USDTやWETH、UNIなどのERC-20トークンをMetaMaskなどのウォレットからNEARウォレットやアプリに直接送信することができ、またその逆も可能になったと書かれています。

コレは便利ですね。

BSC〜NEAR間、SOL〜NEA間のブリッジも現在開発中とのことです。

NEAR Protocol〈NEAR〉の将来性

NEARはゲーム、メタバース、NFTにもチカラを入れてる

「GameFi」「メタバース」「NFT」は最近のトレンド。将来、確実にスケールするだけにどこも注力しています。

そしてNEAR Protocolも当然チカラを入れてます。

公式のツイートにはこのように書かれています。

ゲーム、メタバース、NFT、これらの成長をサポートするために、私たちは1億ドルをNEAR Protocol上に構築されたゲーミングとメタバースのプロジェクトに投資しました。

コレらがスケールするかはどうかわかりませんが、今後の成長分野にしっかり投資しているのは素晴らしいこと。

ツイートのリンクには彼らが投資しているTOP10のプロジェクトが紹介されていますので、興味があったらご覧ください。

数多くのベンチャーキャピタルから投資を受けている

暗号資産リサーチで有名なMessariが2021年7月に調査した資料があります。

暗号分野のトップベンチャーキャピタルやヘッジファンド44社を調査し、どこに投資しているかを調べたものです。

1番多く投資されているのはPolkadotで19社でダントツ。NEAR Protocolは3番目の12社という結果でした。

4月にも同様の調査(33社)をおこなっており、そのときはトップ5にも入っていなかったようです。

4月〜7月の間に急速にNEARの人気が高まったということがいえるかも知れません。

公式サイトをみると、これらの企業がNEARに投資しているようです。

https://near.org/backers/

百戦錬磨のプロの目から見ても「NEAR Protocolがとても有望なプロジェクトだ」と意思表明してることがわかります。

仮想通貨 NEARは「Coinbase効果」が期待できるかも

価格面で考えてみます。

「Coinbase効果」って言葉をご存知ですか?

アメリカで絶大な影響力をもっている取引所「Coinbase」に上場されると、通貨の価値が一気に上昇するってヤツです。

実は〈NEAR〉ってまだCoinbaseに未上場なんです。(2021年11月19日現在)

「えっ、ちょっと待って!」とお思いの方も。

そう、CoinbaseはNEAR Protocolに投資しているからです。

こちらのCoinbaseの公式サイトにもしっかり記載してあります。

当然上場するには審査基準などがあるでしょうし、絶対ではありませんが、自分が投資しているプロジェクトです。価値向上のために、近い将来〈NEAR〉を上場させる可能性は充分にあります。

このことは〈NEAR〉の価格面において、大きな優位性だと思ってます。

Coinbase効果についてはもっと知りたい方はこちらをご覧ください。

5日間で91%上昇、暗号資産の「コインベース効果」とは? | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン

NEAR Protocol〈NEAR〉のマイナス要素

ホントにそんな良いところだらけなの?

と思う方も当然いらっしゃいますよね。

ここからはボクが感じたNEAR Protocolの懸念点を記載していきます。

仮想通貨 NEARは買われ過ぎている

ココにこんな資料があります。Coin98 Analyticsの2021年11月7日のツイートです。

MC(Market capitalization/時価総額)とTVL(Total Value Lock/プロトコルにロックされた資金の総額)からプラットフォームを比較していました。

NEARが断トツで数値が高いですが、実はコレ、かなりのマイナス材料なんです。

数値が高いNEARと低いAvalancheを近くしてみましょう。

NEAR Avalanche
MC54億ドル185億ドル
TVL1.4億ドル149億ドル
数値38.91.2

TVLに対してMCがかなり高いNEARと、大きな乖離がないAvalancheがハッキリわかります。

この状態は株でいうと割高。

つまり買われすぎているってヤツです。

逆にAvalancheは割安。まだそんなに買われていないって状態です。

その後の価格推移を見ると如実に現れています。このツイートが11月7日なので、19日と比較してみました。

NEAR Avalanche
11月7日/9時1,160.47円9,947.11円
11月19日/9時1,049.65円12,802.52円

価格が下がるNEARに対して、Avalancheはしっかり上昇しています。

将来的にはわかりませんが、短期的にみると価格の下落傾向は大きなマイナスポイントです。

ちなみに、今後もMCとTVLで考えると非常に参考になります。最新のTVLはDefi Llama内で検索できますので、興味ある方はどーぞ。

べつにNEAR ProtocolじゃなくてもOK

コレは強く感じたのですが、一般ユーザーがNEAR Protocolを使う理由って、特にないんですよね・・。

ツイートばかりで申し訳ないですが、こちらにチェーンごとのDEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の比較がまとめられてます。

ユーザーが一番さわりやすいのがDEXですが、他のチェーンと比べてNEAR Protocol上にまだまだ少ないです。

しかもここで取り上げられたLollySwapの方はまだ稼働してません・・。アクセスしてもComing Soonですからね。

これじゃなかなかNEARにふれる機会がないですし、使う理由も特にないですよね。

ただ逆にいうと発展途上ともいえます。

NEAR Protocol上につくられたdAppsが少しずつ充実してきたのも事実ですので、ここで少し紹介します。

NEAR上のdApps

Paras:NFTマーケットプレイス
OP Games:Web3ゲームプラットフォーム
Aurora:NEAR Protocolのチームによって作成されたEthereum仮想マシン
NearPAD:Aurora初のDEXとLiquidity・Farmingプラットフォーム
flux:NEARProtocolで最初に開発されたオラクル

特にAuroraの出現により、EthereumベースのdAppsをNEARブロックチェーンに簡単に移行できるようになりました。新しいdAppsが加速していく予感です。

そして、この中で個人的に注目しているのはfluxです。

fluxは分散型の予測市場エンジンで、簡単にいうと選挙やスポーツイベントなどに「賭ける」ことができる、分散型のブックメーカーのようなことができます。

さらにこんなことができるようです。ちょっと長いですが、引用します。

The multi-trillion dollar insurance industry shares the same functional framework as a prediction market bet: 1) pool funds, 2) evaluate event outcomes, and 3) pay funds to those who hold valid payout claims. The Flux protocol contains all the decentralized infrastructure for every one of these insurance industry functions, and its potential is incredible.
(数兆ドル規模の保険業界は、予測市場の賭けと同じ機能フレームワークを共有しています:1)資金をプールし、2)イベントの結果を評価し、3)有効な支払い請求権を持つ人々に資金を支払う。Fluxプロトコルは、これらの保険業界の機能の一つ一つに対応した分散型のインフラを備えており、その可能性は非常に大きいものです。)

Flux’s Prediction Market Could Be The Key To Decentralized Insurance Markets

どうして保険業界に注目するかというと、DeFiの中でまだそこまで注目されてないからです。

CoinGeckoの2021年Q3レポートによると、DeFi全体でinsurance(保険)は2%のシェアしかありません。

CoinGecko 2021.Q3レポートより

DeFi上の銀行や株式市場のような機能が今は圧倒的に人気ですが、保険的な機能も必ず注目されてくると思ってます。

なぜなら現実世界の金融市場をブロックチェーンが侵食していくなかで、保険市場を取りに行かない理由がないからです。

あくまで素人考えですが、日本国内でブロックチェーンが普及するキッカケにすらなると思ってます。日本人は保険好きですからね。

fluxは一例ですが、「ブロックチェーン上の保険」に注目していくと、将来の優位性につながるかもしれませんね。

〈まとめ〉NEAR Protocol〈NEAR〉

では最後にもう一度、NEAR Protocolの現状を振り返ってみましょう。

NEARのまとめ

  • NEAR Protocolのスペックは素晴らしい!
  • 他のチェーンに比べ、かなり遅れをとっているのも事実。
  • 多くのVCが投資している。
  • 現状、仮想通貨NEARは買われ過ぎている状態。
  • ただCoinbase未上場なので、「Coinbase効果」を期待できるかも。
  • dAppsも発展途中。今後伸びてくる兆しも見える。

以上となります。

自分のブロックチェーン知識がまだまだ弱く、また日本語情報が少ないため、かなり苦労しましたがスゴく勉強になりました。

特にFluxはおもしろく、Crypto世界の「保険」について、もっと調べてみようと思った次第です。

繰り返しとなりますが、NEARへの投資をオススメしているわけではありませんのでご注意ください。

皆様の今後の参考になれば幸いです。

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